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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2004年8月のニュース一覧
▼[2004.08.31]カシオペアのまたたき
▼[2004.08.29]ネトゲー雑話
▼[2004.08.27]MS的商法
▼[2004.08.25]ただ,それだけ
▼[2004.08.23]いらない法,いらない既存
▼[2004.08.21]携帯電話の結論
▼[2004.08.19]fly me to the moon
▼[2004.08.17]want to change all.
▼[2004.08.15]存命必須事項
▼[2004.08.13]只前進 舞路颶
▼[2004.08.11]エロリンク解決法
▼[2004.08.09]移行先のネットワーク
▼[2004.08.07]生きるために大切なこと
▼[2004.08.05]航空力学私書
▼[2004.08.03]グーグルのスープ
▼[2004.08.01]胸の,痛み

■2004年09月のニュース一覧
■2004年07月のニュース一覧


 
[2004.08.31]
  カシオペアのまたたき


 ▼Astronomers probe Cassiopeia's secrets(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2004/08/26/stunning_supernova/


 カシオペアは,秋から冬の星座と云われますが,実際は1年中,北の空にいます。沈むことはありません。ただ,秋から冬にかけて高い位置にいるだけです。1年中休みなく空を回らなければいけないのは,星座のお話ですと罰なんだそうです。あなただったら,それを罰と思いますでしょうか?

quote:米国航空宇宙局(NASA)はチャンドラX線観測衛星によって撮影された,カシオペアAと呼ばれる超新星爆発の残骸の画像を公表した。5年前に撮影された画像より200倍の情報量を含んでいる。NASAの研究者は,この超新星爆発が予想よりはるかに複雑だったことを画像が示していると述べている。画像には中心から10光年に鉄が豊富な(緑色の)ガス雲がみえる。これはガスの発露以外の理由で星が爆発したことを示唆し,極超新星によるガンマ線爆発に似ていると仮定している。

 NASAのページに特大の画像(2242 x 2242ピクセル)もある。チャンドラは,高度約14万kmを飛ぶX線天文台。X線を放出する超新星やブラックホールなどの,新しい発見が期待されている。カシオペアAは,中心に中性子星があるとのことだけど,特大画像のまんなかにみえる黄色い点のことだろうか。わからないが,宇宙の花火とも云われる(asahi.comの記事)超新星の残骸,その様子はなにか天然とも思えず,その色の配置は論理的なリズムを感じる。

 『美和と詩亜は双子の女の子でした。ですが姉の美和は,ときどき思っていました。自分の名前が嫌い,きっと詩亜の方がいつもしあわせなのは名前のせい,勉強ができるのだって,男の子にもてるのだって,いつも詩亜なんだから。 ちょっとだけ落ち込みながら星空を見上げていると,小さくまばゆく多色に輝く光の渦が,「M」の文字にかたどられた星座のなかにみえました。あの星座って…カシオペアだ,と小学生の理科の授業で「W」の字にみえると習ったことを思い出していました。わたしの名前みたいでいやだなと思うと,理科の先生だった猫先生の言葉も思い出していました。「しあわせとはしあわせを探すことなんですよ」。その夜,少しだけ夜空は,優しくみえました。』



 
[2004.08.29]
  ネトゲー雑話


 ▼オンラインゲームのアイテム収集に「下請け労働者」が出現(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040826203.html


 「ネットゲームで朝陽をみるのは初めてだった。いつも明け方前にログアウトしてしまうから,朝陽はみたことなかった。田舎から上京してきて,初めてみた夕陽を思い出した。そう,なにも変わらない。だからここで,生活してみようと思った」。

quote:欧米では近ごろ,単調で骨の折れるネットゲームの作業を中国やロシアといったほかの地域に下請けに出しているゲーマーがいる。ある企業家はロシアの労働者たちに週およそ100ドルの基本給を払い,ゲーム内通貨を稼がせている。ロシアではかなり大きな金額だという。だが,通貨稼ぎのためにプレイしている労働者たちは現実世界での利益を得ているかもしれないが,ゲームを共有する態度に欠けるなどゲーム世界に不利益をもたらしていることもある。

 「人間嫌いのボクが,なんでネットゲームなんてずっとやり続けているんだろう,と思った。もちろんネットでもあいさつは必要かもしれない。けれど,リアルのようなうそや欺瞞でしかないあいさつじゃないと感じる。リアルでは,ご無沙汰しています,毎日暑いですね,なんてどうでもいいことを礼儀正しく云っている自分が,途方もないうそつきに思えるが,ネットでは最低限必要なことであり,それだけですむ。ネットではざれ言や雑言も多いけど,もともと人間なんてそんなもんだと思っているから,気にならない。ボットやチートに出会うこともあるけど,リアルに比べたらたいしたことと思えないし,無視箱に登録すればもう姿もみないですむ。だから,ネットゲームは続けられる」。

 「ボクは,リアルのためにワイヤードにいるのではない。ワイヤードでリアルのお金を稼ぐなんて,ムダだしつまんないし,ワイヤードでリアルの友だちを作るなんてのも,ムダだしつまんない。逆もまた真なりでリアルのお金はワイヤードで使うためにあるんぢゃないし,リアルの友だちもワイヤードで遊ぶためにいるんぢゃない。女性のキャラを使っているプレイヤーがネカマでも構わないし,男性のキャラを女性が使ってても構わない。リアルで会うことはないんだし,リアルのSEXのためにプレイしているわけでもない。リアルとワイヤードは,どちらかのためにあるんぢゃなく,それぞれ独立している。それが,ボクのネットゲームのやり方だ」。(refer to 「待つ」太宰治『.hack//黄昏の腕輪伝説』依澄れい



 
[2004.08.27]
  MS的商法


 ▼EMCの広告代理店と契約したデルの狙いは?(@IT)
  http://www.atmarkit.co.jp/news/katt/2004/katt102.html


 しかし。自分でウイルスがガンガン動き回れる場所を用意して,その対策をすることでまた儲けられる。この会社って,相も変わらず。

quote:吾輩にメールを送ってきたある友人によると,シマンテック社が自社製品とウインドウXP SP2を統合するためにリリースしたパッチに,マイクロソフトがひどく腹を立てているらしい。SP2の主要なパーツはウインドウズ・セキュリティ・センターだ。アンチウイルスソフトが無効になっていると赤の信号が表示されるが,シマンテックは自社製品が無効,または有効期限切れになっていると赤ではなく,緑の点滅になるようにしてしまったらしい。マイクロソフトは生意気なベンダーに天罰を与える計画が完成するまで,シマンテック関係者とのコンタクトを厳禁したそうだ。

 吾輩もまた面倒は勘弁なので,XPをSP2にしようなんてこれっぽっちも考えてないのだが,ちょっと試さなければいけないこともあってSP1にSP2パッチを当てたCDから新規インストールし,ついでにセキュリティ・センターやらもみてみた。アンチウイルスソフトが「見つかりません」とか書かれていて(pic),ウイルスが活発に動き回る場所を提供しているのはおまえだろとツッコミを入れたくなるわけだが(ちなみにノートン・アンチウイルスをインストールするとpicになる,って「有効」にならないのかな?)。

 アンチウイルスソフトがみつかりませんと書かれると云うことは,あって当然といいたげなわけで,アンチウイルスソフトを売っている会社にしてみれば売り上げにつながりそうな気もする。が,そう云えば以前,MSがアンチウイルスソフト市場に参入するという話もあったわけで(WIRED NEWSの記事),ウインドウズのセキュリティ・センターの機能はその前触れなのだろうかな,とも思えたりする。ブラウザにしても,メーラーにしても,ストリーミングにしても,動画作成にしても,あって当然のものは中途半端なものでもやみくもに追加していき,市場をぶち壊すのはMSのいつものこと。アンチウイルスソフトメーカーはほかの食いぶちを探し始めた方がよさそうなのかも。



 
[2004.08.25]
  ただ,それだけ


 ▼オンライン出版、成功の鍵は「PDFファイルでのタイムリーな刊行」(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/business/story/20040823105.html


 出版社が不況にあえいでいると云う。だが実際のところは,なにもしていないだけだ。究極的に生き残ることができる出版の条件は,紙を捨てること。流通システムを作ること。ただ,それだけだ。

quote:マック関連の話題を取り上げる週刊のメールニュース,TidBITSを1990年から続けているアダム・エングスト氏は,ようやく有益な出版のビジネスモデルに行き着いた。それはPDFファイルでタイムリーに,小額で電子書籍をリリースすることだ。電子書籍は5ドルか10ドルで,無料アップデートも付く。プリンターで印刷することもできるようにデザインされ,ウェブへのリンクもたくさん埋め込まれている。また,PDFには数々のデジタル著作権管理メカニズムが用意されているが,TidBITSではいかなるコピー防止措置も取り入れていない。「問題を引き起こすだけで,導入する価値がないからだ」とエングスト氏は述べている。

 CDが100円で,ネットでボタンを押した数時間後に必ず手に届くようなら,誰がファイル共有でMP3を落としたりするだろうか。とは云っても,そんな流通システムを作れません,というならまぁ理解できる。だが,iTunes ミュージックストア(iTMS)は実際にそれに近いシステムを提供して,デファクトスタンダードになるほどの支持を受けている。もうすでに,流通システムはできている。出版では,TidBITSが,小規模ではあるがやり始め,ある程度は成功している。もちろんTidBITSは,無料の週刊メールを出し続けている上で,成功していることも付け加えなければいけないが,大手出版社ならすぐにでも始めることができるはずだ。

 そしていちばんのポイントは,なにもコピープロテクトを設けていないということ。TidBITSは100%そうだし,iTMSも,iTunesをパソコンで使ってiPod以外の携帯プレイヤーに興味がない,という人ならまったく問題にならないコピープロテクトである。DVDビデオが本当に普及し出したのも,DeCSS後に手軽に使えるツールが出回ってからであるのも偶然とは思えない。コピープロテクトで売り上げが増えることは,過去に一度もないし,これからも絶対ない。CCCDを使う日本の音楽業界は,格好のいい例だ。なんだったらネット上ででも,コピープロテクト付きとコピープロテクトなしの同じ作品を売ってみればいいのだ。1時間で結果がわかるだろう。いったい誰のためのプロテクトなのか。つまり結論は,なんのプロテクトもかけず,ネットの利点を生かして低コストでの配信に注力する,これだけだ。音楽や動画で,それを最初にやるのは,誰か。いままでの音楽業界,動画業界をすべて潰しても,それに移行すればいい。ただ,それだけだ。



 
[2004.08.23]
  いらない法,いらない既存


 ▼控訴裁判所「P2Pファイル交換サービスは合法」と裁定(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/business/story/20040820103.html


 変態行為を繰り返し,みんなの笑いものになってもまだ変態を繰り返す,京都府警はじめ,ニッポンのバカ警察官の皆さまへ。現状の認識。

quote:米国連邦控訴裁判所はピア・トゥ・ピアファイル共有サービスのモーフィアスとグロックスターに著作権侵害の責任を問うべきだという全米レコード協会と米国映画協会の訴えを退け,合法だとの判断を下した。今回の判断は,ファイル共有サービスはユーザーの違法行為の責任を問われないという連邦地裁の裁定を踏襲した。裁定で裁判官は,現行の著作権法の見直しを求める著作権所有車の要求に対して,なにもかもが著作権違反の影響とする見解が急激に範囲を広げ,見直しをすれば著作権所有車の経済的狙いは達するが,最終的に思いもよらぬ結果を招くと警告している。

 さてこの判決を,著作権違反幇助とやらでWinny作者を捕まえて喜んでいる京都府警の変態どもはどう受け取るのでしょうか? 米国ではファイル共有ソフトを配付することは合法で,なんの罪にも問えないそうです。営利企業でさえもそうだとのこと。フリーウェアで個人が作っていたファイル共有ソフトに,いったいどんな罪を問うんでしょうか? 変態のみなさんに,ぜひお聞きしたい。米国の判決なんて日本には関係ないとでも云うんですか? そう云って,米国では無罪なのに,日本では牢屋に入れてもいいんですか?

 そしてもう,日本の法律がどぉこぉとか,米国の判決がどぉこぉとか云っていられない次元になっているのを,みんな知っている。別に世界共通の法が必要とかそんなことを云ってるのではなく,日本なんて辺鄙な土地の法など守っても意味がなく,ただ人間としての倫理が必要だと云うこと。そしてそんな社会では,著作権法なんてものはまず真っ先に,いちばん意味がない。すべての情報は共有され,自由に流通して引き出せるものである。もちろん情報には,音楽も動画もテキストもすべて含まれる。すでにそういう社会ができているのだ。わたしたちはそのなかで,自由に行動し,生きて,よい。



 
[2004.08.21]
  携帯電話の結論


 ▼ノキア、W-CDMA端末「7600」を大幅値下げ(ITmdediaモバイル)
  http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0408/20/news037.html


 マニアにしか使われていない現状で,そのマニアを値下げで怒らせ,でも一般の人にはやっぱり使ってもらえない新価格。微妙だなぁ。

quote:ノキア社は日本で発売中のノキア7600を,7万3290円から4万7040円に値下げする。「できるだけ多くの人に使ってもらいたい」とノキア社は値下げの理由を説明している。

 つかよっぽど売れてないんだろな(^^ゞ。わたしが買った金額からは1万円ぐらいしか下がってないので全然気にならないけど,2万円以上安くなった人はショックかも。ノキアは非難,罵倒されてもおかしくない。わたし的には,ノキア7600は(過去記事)存分に使い倒しているので7万円でも全然もとがとれているが,でも5万弱でも普通の人にとっては高すぎるだろう。タダでも当たり前にしている日本の携帯電話会社はこれからツケを払わされるのだが,まずその前にノキアがその痛手を受けたともとれる。最高級にいいデバイスなのに,かわいそうなのはノキア7600。

 携帯電話事情について。携帯電話と携帯MP3プレイヤーのふたつを持ち歩いているなんて,なんかおかしい。電話がかかってきた着信音も聞こえないし,イヤフォンを外して携帯を耳に当てているのもマヌケに感じる。それがノキア7600ではひとつになっててありがたい。SUICAと携帯電話を一緒にしてやかましく宣伝しているが,SUICAが定期入れから消えたって,ほかにクレジットカードやらなにやらを定期入れで持ち歩くから,持ち物はなにも変わらない。だったら携帯MP3プレイヤーと携帯電話を一緒にすれば持ち物がひとつ減るのに,現状,ノキア7600以外にその選択肢はない。それを阻害しているのは,…わかるよね,日本の音楽を売ってるバカどもだ。そのバカに頭があがらない,日本の携帯電話会社が売っている携帯電話はノーサンキュー。これがわたしの結論だ。(ニュースネタ元:RECO-PLAY.COM



 
[2004.08.19]
  fly me to the moon


 ▼Two new Saturn satellites may be big discoveries(USA TODAY)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/news/2004-08-17-new-saturn-moons_x.htm


● 月をひとつしか持っていない地球は,幸せだろうか? と天文学者は考えました。いくら考えても結論は出なかったのですが,遊びに来た少女は155φの望遠鏡をのぞきながらつぶやきました。「大切な人がひとりいれば,寂しさはなくなるものです。かえって,ふたりいるよりもよいでしょう?」。 ●

quote:見つかった土星のふたつの小さな衛星は,大きな発見かもしれない。土星探査機カッシーニは,土星を回る未知の小さな月をふたつ発見した。その衛星は直径3kmと直径4km,土星の中心から21万1千km以内を回っている。土星には過去に31個の月がみつかっており,32,33個目になる。木星は5ダース(60個),天王星は21個,海王星は11個,火星は2個,地球は1個の月を持っている。

● 失恋をした少女は,夜空を見上げてちょっとがっかりしました。いつもベッドの中でふたりで見上げていたのに,もう彼はとなりにいません。でも月は,そんな少女の気持ちを本当は知っていて,だからきょうの夜空には半月がいるのです。 ● 彼女の自慢は,土星の31個の月の名前も,木星の60個の月の名前も,全部いえることでした。ですが,それは自分が寂しいからだと知っている彼女は,決してそのことを誰にも云えないのでした。 ●

● Winnyで月を落とそうと思っている女の子がいました。ものすごい被参照量なのに,いつまでもさっぱり落ちてきません。仕方なく猫先生に相談すると,あっさり云われました。「月を手に入れようなんて,とんでもありません。月はいつでもそこにありますが,独り占めをできないものの象徴なのです」。 ● 少女が大切にしていた月のペンダントをなくしたのは,まだ暑い夏の日。秋の日暮れを感じたころ,土星に新しい月がふたつみつかりました。「ひとつはわたしのペンダント,もうひとつは,わたしにペンダントをくれた初恋の彼のもの。彼は夏の日に海に潜って死んだけど,海の底では月の光がみえると云うし」。少女は土星の新しい月を,自分と彼の名で呼ぶことにしました。 ● (NASAのサイトにある発見衛星のアニメGIF,ちぃせぇ…)



 
[2004.08.17]
  want to change all.


 ▼衝撃の人事――ボーダフォン新社長は、元ドコモの津田氏(ITmediaモバイル)
  http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0408/16/news035.html


 鎖国的な日本の通信事情のなかで,普通にやってうまくいかないのは当然だが,それでは「ボーダフォン」である必要はない。そのようなダメな国のなかに埋もれないための施策が必要。ドコモになってはダメで,全体を変える動きが求められる。

quote:ボーダフォン社は元NTTドコモ副社長の津田志郎氏を社長兼CEOに任命する人事を発表した。津田氏はドコモの次期社長と云われていた人物。ボーダフォンの取締役会議長は津田氏について,ポジティブな選択だとし,同氏が過去にどのようなことがあったにせよ,我々の候補だったと強調した。

 驚いた。一般的な見方をすれば,ドコモを追われた人物がボーダフォンのトップに,という展開。ドコモもボーダフォンも決してすべてがうまくいっているわけではない。というよりも足踏み状態で滞っている。そんななかでのこの人事は,なにやら生臭い感じも。ボーダフォンとしては現状打破のためのカンフル剤的な意味合いも強いのだろうが…。

 日本ではいまいちなボーダフォン,というThe Registerの記事がちょっと前にあった。どの国でもおおむね順調ななかで,日本でだけは遅れをとっている。やはりいちばんの理由は会見の言葉にある通り,3Gへの以降が進んでいないことだろう。ドコモもauも世界標準からずれていて,唯一世界標準を誇れるのにいまだにサイトもチラシも店頭も,前時代の端末が並んでいる。標準からずれたままでも無理やりだまして推し進めているドコモのFOMAの方が,まだ順調と云える。きちんと指針を進める,そのための改革が必要だろう。さて,ダリル・グリーンもできなかったそれを,成し遂げられる人物を選んだのか,どうか。



 
[2004.08.15]
  存命必須事項


 ▼Norwegian hacker takes a bite out of Apple's iTunes(ZDNet UK News)【英語】
  http://news.zdnet.co.uk/software/mac/0,39020393,39163378,00.htm


 「世界は正しくなどない。正しいことは,自分でみつけるものだ。」

quote:DVDの暗号化をクラックしたノルウェーのハッカー,ヨン・ヨハンセン氏は,アップル社のiTunesが無線ベースステーションのエアポート・エクスプレスに送る音楽の暗号化もクラックした。ヨハンセン氏は使用している暗号鍵を解読して公開し,ジャステポートというプログラムを書いてiTunes以外のソフトでもエアポート・エクスプレスに音楽を流すことができるようにしている。これによって,ほかのポピュラーなソフトでもストリーミングできるようになるだろう。

 iTunesはAACとMP3しか再生できないので,オッグ・ボルビスのファイルがいっぱいありますとか,いろんな可逆圧縮形式で音楽をたくさん大事に保存してますという人も,これでエアポート・エクスプレスでの無線ストリーミングが楽しめるということ。もしかしたらもうどこかにあるのかもしれないけど,ウインアンプで再生している音楽をそのまま無線で飛ばすプラグインもリリースされるだろう。たったひとつの音楽プレイヤーに縛られずにすむ解放感はなによりも爽快であり,ジゴル,コムニス,フラバ,ハイブリタなどで拘束されて生きたい人は好きにすればいい。マゾな人を否定する気はないので自由に拘束具まみれの生き方をすればよい。わたしは,勘弁だが。

 パソコンとオンラインのある世界では,音楽も動画もマゾヒストな扱いを受けることが多い。特定の暗号解除を行える機器にしばられ,特定のソフトにもしばられ,DVDではリージョンコードによって生きられる地域さえも限定され(iTMSも同じか),常に暗号化された不自由な状態で生き続けなければいけない。そしてそれをすべてのユーザーに,当然のことだと思い込ませようとしている。自由な世界などあり得ないのだと,云いたがっている者たちがいる。わたしたちは,「それ」を制限されるのはおかしいんぢゃないか,「それ」は好きにできて当然なんぢゃないか,という意識をきちんとわきまえなければいけない。それが,究極的にいまもっとも,生きるために必要なことだと認識すべきだ。バカな変態サディストの奴隷にならないように。



 
[2004.08.13]
  只前進 舞路颶


 ▼号外! 号外! 全部まとめたブログはいかが!(TidBITS)
  http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/TidBITS-jp-740.html#lnk3


 更新のない日には,太陽も月も昇らない。地球を動かすには,エントリーが必要だ。

quote:近ごろはウェブログが大流行だが,出版がありメーリングリストもあるTidBITSはウェブログなんて持ちたくないと思っていた。が,一定のプロセスによって定型が固まってきたTidBITSでは,ちょっとした意見や面白いけれど重要でないもの,記事に仕上げるまでに至らなかったものは抜け落ちる傾向になってしまった。皮肉なことに,ブログは最近発展したように思われているが,これはまさにわたしたちが14年前にTidBITSをスタートさせたときの在り方そのものだった。そういう理由で,今回わたしたちは,ExtraBITSをスタートさせることにした。

 空をみあげると,きのうと同じ空が広がっていた。きのうときょうで,なにかが変わるわけぢゃない。そんなに毎日なにかが変わってたら,大変だ。だからなにも変わらない。雲や雨はあるけど,でも,大きな変化ぢゃない。いつもと同じ電車,いつもと同じ学校への道,いつもと同じクラスメート,いつもと同じ会話,いつもと同じ昼食,いつもと同じネットがあって,またベッドに入る。きょうも,同じ空だったな,と眠りに就く。そう,思っていた。

 ブログを始めたのは偶然だった。なんの意図もない。誰かに伝えたい言葉なんてものもない。ただのメモ帳の代わりだった。けど,なにか記さなきゃと思ってみあげたきょうの空は,いつもとちょっと違うにおいがした。真夏の,セミが啼き続ける,きのうと同じ,ちょっと歩いていると汗ばむような空だけど,夕陽の中にちょっとだけ秋を感じた。なんでだろう。天気も気温も湿度もなにも変わらない,ただの思い過ごしだと思うけど,なにかが変わって,動いていた。ブログで,ボクの地球は動き出す。(refer to 『ケロロ軍曹(5)』吉崎観音



 
[2004.08.11]
  エロリンク解決法


 ▼「小学6年生」で大人のHP紹介、小学館が最新号回収(YOMIURI ON-LINE)
  http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040809i215.htm


 一部の人にとっては小学館の学年誌こそ最強のエロ本です! サイトに18歳以上禁のバナーつけてください! って世の中で,ナニヲカイワンヤ。

quote:小学館社が発行する雑誌,小学六年生最新号(9月号)に,アダルトサイトにつながるウェブページが紹介されていた問題で,同社は最新号の回収を始めた。最新号では巻頭の特集記事で6つのサイトを紹介,うち3つはアダルトグッズ販売サイトへのリンクがあった。

 笑った。事前にエロサイトへのリンクがあることが問題として取り上げられていたんだけど(YOMIURI ON-LINEの記事),まさか回収までするとは。とは云え,エロサイトへのリンクがあることは最初から知っていて,それを塗りつぶした画面を使ってたと記事にはあるから,故意に行ったと云っていいんだろう。小学六年生の公式サイトは,おわびとお知らせになっている(Googleキャッシュはページ内容がまだ生きている,ってBerryz工房かよ)。

 さて,思うことをそのまま記せば。サイトに18禁リンクがあるのなんてコンビニにエロ本が置いてあるのと同じ。雑誌回収なんて,小学生はコンビニに絶対入ってはいけませんと云っているようなものとも思える。昔から云われていることだけど,首相官邸のウェブページからでも数回のクリック(現時点では4回ですんだ)で18禁サイトに行ける(首相官邸首相官邸・各報道機関のホームページ産経新聞関連サイト・SANSPO.COMおとなのSANSPO.COM)。もともとつながってないわけがないんだから,みせない,という対処法ぢゃなにも解決しない,すぐそこにあるけど適度に必要があったら使いましょう,っ解決法ぢゃなきゃねぇと,小学生でもわかりそうだけどどぉかな。



 
[2004.08.09]
  移行先のネットワーク


 ▼米海軍が産み、オープンソース陣営が育てる匿名ネット技術『トーア』(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20040806301.html


 トーアは,フリーネット,そしてWinnyとも似ている。どこかを経由し,直接接続することを防ぐ(Winnyの場合,BBSは書き込みが必ず他者を経由する,ファイル転送は他者を経由する可能性があることで効率を維持している)。次のネットワークのカタチが,みえてきているのかもしれない。

quote:米国海軍が開発した通信システムに改良を加えた,ネットの利用に匿名性を確保できるトーアというソフトウェアの開発が進んでいる。トーアを使えば,サイトによる閲覧ユーザーの追跡や訪問者リスト収集を阻止でき,内部告発者の保護などが可能だとしている。トーアには,米国海軍も資金援助を行っている。

 もともと,インターネットというネットワークでは,匿名性なんてさっぱり考えられていなかった。隣のパソコンが受信しているメールの内容を取得することも,みているウェブページのアドレスを調べることも簡単だった。匿名性よりも,効率が優先された。だから,余計なフィルタをかけて通信速度を遅くするよりも,直接接続して,自分のアドレスを明かして情報のやり取りをした。それが,普通だった。が,いつからか,それではまずい,生きにくい世の中になってきた。

 必要なかった邪魔なフィルタを導入しなければいけなくなったのはなぜなのか,誰がそうするための道筋を作ったのか。いま,高速なADSLやFTTHを利用してる人たちは,トーアが一般的な社会になれば,その回線速度の遅さにややゲンナリするだろう(記事中には「大幅な遅延が起こることはない」と書かれているが,しばらくは遅延を感じないことはあり得ない)。だが,通信の内容をのぞいて自由なファイルのやり取りを妨げられたり,なんたら法に違反してますと無駄な裁判を起こされたり,せっかくの有益な情報の公開を阻害されたりするよりは,それでもいいかなと思うかもしれない。その,移行期に,わたしたちはいる。



 
[2004.08.07]
  生きるために大切なこと


 ▼Virgin: Apple's not playing fair with iPod(ZDNet News)【英語】
  http://zdnet.com.com/2100-1104_2-5298642.html


 身の程知らずは,まずネットワークで殺される。

quote:フランスのオンラインミュージックストアであるヴァージン・メガストアは,アップル社がiPodで使っているコピープロテクト技術,フェアプレイのライセンス提供を拒否していることは,競争を妨げているとして6月に告訴していることが明らかになった。アップル社は先日,フェアプレイと互換性を保つリアルネットワークス社のハーモニーと呼ばれるコピープロテクトソフトに対して,非難の声明を出している。

 iPodはよい製品である。わたし個人は好きな1曲をリピートで聴いていれば満足な人なので莫大なハードディスク容量は必要ないけど,大は小を兼ねる。山ほどCDを持っている人はそのすべてを持ち歩けるということに魅力を感じるだろう。操作感も特に悪いところはなく,欠点は見当たらないと思う。iTunesも音楽プレイヤーとしては,ほぼ完成していると思う(ウインドウズではクイックタイムが邪魔くさいが)。iTunesが登場したのは2001年1月のことだが(アップル社のリリース),そのときからたいして大きい変革もない。付け足す大きいものもなく,削るものもない。もう完成しているソフトウェアだ。完璧な音楽ソリューションができ上がっているけど,問題は,だ。

 先日(過去記事)の言葉をここでも引用しよう。「If I had any humility I would be perfect.」Ted Turner(「謙遜の気持ちを持て,それで完璧だ」CNN創設者,テッド・ターナー)。果たしてアップルは,オンラインミュージックストア(iTMSね)の運営において謙虚さを持っているだろうか。売った音楽はiTunes以外では再生させない,携帯音楽プレイヤーはiPod以外認めない,ほかの会社が互換性を求めても拒否する。この独占状態を1日でも長く維持するために,できる限りのことをする。あれ,どこかにそんな会社があったな。そういえば,その会社に散々の当てつけを行ってもいたが(MYCOM PC WEBの記事)。とりあえずそろそろ,ひとつの幕切れが垣間みえてきた。



 
[2004.08.05]
  航空力学私書


 ▼世界一おかしな鳥人間コンテスト『フルークターク』、今年も開催(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040804201.html


 航空力学とは,ぎゅっと胸の前で手を握りしめるほどに熱い,想像力によってつむぎ出された,学問である。

quote:自作の人力飛行機で飛行を試みるイベント,フルークターク(「飛行の日」の意)が行われた。優勝したのは12メートルを飛んだ「Xウイング」チーム。これまでの最長飛行距離は約59.5メートルだが,ほとんどの自作機は離陸直後に華々しい姿を空中で一瞬だけみせると,そのまま水面に落下する。

 ビルの屋上から飛び降りる人のほとんどは,空を飛ぼうと思っているわけでなく,死ぬことだけを考えている。もったいない。終わりたいだけなら,ほかにも方法はいくらでもある。空は,飛ぶために残しておくものだ。人は人生から目をそらしたいときに,空を見上げる。そして飛ぶ鳥をみて,思う。ああ,俺もあんなふうに自由になれたらいいのに,と。だが,そう思う人はおおむね気付いていない。自由であると云うことは,幸福ではあるがいつまでも満たされない。自由でないことを嘆くことと,満たされずに生き続けることは,どっちもどっちだと云うことを。

 寺山修司は,「飛行機は道具にすぎないが,飛ぶことは思想なのである」と述べた。飛行機で飛べる高さには限界がある,と云うより必要以上の高さは必要ない,だが,飛ぶことに限界はない。なによりも高く,遠く,飛ぶことができる。なにかを求めるために飛ぶのではない,ただ飛ぶことが,重要なのだ。訴える内容が正しいかどうかはどうでもいい,ただひたすら訴えること,その言葉を持つこと,行動すること,それが大事なのと同じだ。地べたを這いずり回るウェブを作るな,なによりも高く飛ぶウェブを作れ,特にブロガーたちよ。



 
[2004.08.03]
  グーグルのスープ


 ▼グーグルのIPOに入札するべきではない理由(asahi.com)
  http://www.asahi.com/english/svn/gillmor/TKY200407310143.html


 1株108〜135ドルと予想(1万1880〜1万4850円)。平均株価で収まったときの時価総額は,3兆5000億円を超えると云うIPO。グーグルがいままでの謙虚さを失わずに,いまを見続けられるか,久し振りの,見物ぢゃないか。

quote:落ち着こう。グーグル社は素晴らしい会社で,偉大な会社になるかもしれない。が,今回の株式公開に向けて,同社が提示した高額な予想価格は,どうも泡のような空虚な印象を与える。グーグルの目論見書では,同社が長期的に成功することが確実だとは云えないと述べており,リスクは多い。だがグーグルのIPOがまずい展開になると,市場に対する人々のわずかな信頼も打ち砕かれる。もし同社の予想価格を許容できるなら,長い目で考えて投資することが必要だ。

 わたしの好きなニュースサイトであるThe Registerは(過去記事),トップページのいちばん下に至言や名言など,さまざまな人のアフォリズムを載せている。毎日違う言葉がそんなに続くわけはなく,たくさんの言葉をリピートしているのだけど,数は多いのでいつも新鮮に楽しめる。そしてその言葉に,なんでかグーグルのことを思い出す言葉がある。今回のニュースに際して,それをペーストしておく。わたしの拙訳でごめんなさい。

 「I believe we will change the world. And I believe together we can do anything.」Carly Fiorina(「わたしは,わたしたちが世界を変えられると信じている。わたしたちは,なんでもできるとも信じているし」ヒューレッド・パッカード社,カーリー・フィオリナ)。「I never think of the future - it comes soon enough.」Albert Einstein(「未来のことなど考えない。どうせすぐにやって来るのだから」物理学者,アルバート・アインシュタイン)。「If I had any humility I would be perfect.」Ted Turner(「謙遜の気持ちを持て,それで完璧だ」CNN創設者,テッド・ターナー)。



 
[2004.08.01]
  胸の,痛み


 ▼Private Picture for All(The New York Times)【英語】
  http://www.nytimes.com/2004/07/29/technology/circuits/29diar.html


 ダウンロードフォルダにたまった画像ファイルをみていて,ふと,胸が痛むものがあった。どこかでみたことがあるな,この画像,なんだっけ? 連番になっている画像をひとつひとつみていて,あっ,と思い出した。小学校の卒業アルバムだ。

quote:ファイル共有をしているほとんどの人は音楽を探しているが,リッチ・ヴォーゲル氏は写真をみつけるのに使っている。それらの写真のほとんどは,共有するつもりがないのに共有されているものだ。「my pictures」というキーワードで検索すると,何千ものマイピクチャフォルダの中身が共有されていて,ダウンロードできる。ヴォーゲル氏はそのダウンロードした写真から選んだものを,自分のサイトに展示した。ヴォーゲル氏は云う。「誰か知らない人が共有している写真は,想像力を広げる。意図的でなく共有されたものは,もっと面白い」。

 よく,Winnyで「.jpg」だけをキーワードにしてダウンロードを始めて,放置している。流れている「.jpg」がファイル名につくファイルを闇雲に落とし続けるのだ。山ほどファイルは落ちてくる。ウイルスやゴミも多く,画像もエロ画像がほとんどだけど,たまに意味不明の風景や,写真などが混じっていることがある。そのなかに,なぜかわたしの小学校の卒業アルバムをスキャンしたものがあった。最初はなんの写真だかさっぱりわからなかったが,そのなかの1枚の写真,その端に当時好きだった女の子が写っているので,気付いた。

 押し入れの奥深くをあさって,その卒業アルバムを掘り出してみた。確かに,同じだ。いったい誰が共有しているのか,意図的なのかうっかり共有してしまっているのか,さっぱりわからない。が,もう一度その写真をみてみる。よく遊んだ友だちの顔,嫌いだった奴の顔,いつもバスケットボールをしていた体育館の風景,放課後によくだべっていた夕陽の射す音楽室前の廊下,その廊下の窓から見える河の流れ。「想い出はいつもにがいもの,甘い想い出なんて,ありはしない」と云ったのは誰だっけ? そうか,この胸の痛みは…,と胸元に手を当てて感じていた。



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